ソース:http://www.youtube.com/watch?v=Nf4rw0UpiGE <youtube> 管理人から: 今日は何度か別の記事の中でも名前が出てきましたディウドネのご紹介です。フランスで政治問題にまで発展したコメディアン(日本でいうお笑い芸人ですが、フランスではお笑い芸人が政治・社会問題を取り上げることが多いので、日本でイメージするお笑い芸人とは少しイメージが異なります)のDieudonné(ディウドネ)事件を取り上げました。
彼は、数多くの舞台で反ユダヤ、反シオニズムと捉えられる発言を繰り返すなど、フランス国内では挑発的なコメディアンとして知られています。賛否両論ありますが、彼自身は自分自身について人種差別者でもなんでもないと語っており、ただ社会の現象を取り上げて、風刺しているだけだという立場をとっています。
一般にはタブーとされているナチスヒトラー、ユダヤ人がつけさせられていたユダヤの星マーク、強制収容所などの話を積極的に自分のトークショーの中に取り入れており、内容はタブーであっても笑いをとるというショーを展開しています。
これに対して、「さすがディウドネだ!」という反応もあれば、「ディウドネはけしからん!」という怒りの反応もあり、賛否両論といったところです。今や渦中の人となったディウドネですが、話が大きくなったのは内務大臣自らが彼の舞台上演を禁止したことがきっかけとなりました。個人的には、フランスでの移民嫌い、保守的な傾向がここまで発展したという証拠なのかなとも感じました。
YouTube上にディウドネの演目はたくさんあるのですが、フランスの文化的背景を知っていないと外国人にはすぐにはわからないことが多すぎるので演目そのものを訳すのではなく、今回の事件をまとめたビデオクリップがありましたのでそれを訳してみました。できるだけ忠実に訳してもらいましたが、動画の翻訳でもありますので、もしわかりづらい点あれば、ご容赦ください。
2014年2月13日
2013年ー2014年、ディウドネ事件 【概要】
2013年ー2014年、ディウドネ騒動は、フランスのテレビ局 France2 から始まった。『Complément d'enquête(訳:補足調査)』という France2 が出版する雑誌に、コメディアン・ディウドネの舞台『Le Mur(訳:壁)』で盗撮された画像が掲載されたからだ。これは2014年の始めに彼がが舞台上演を禁止されてからのことだ。
ディウドネはもう10年以上も前からマスコミの圧力に抗い続けている。今回、マニュエル・ヴァルス内務大臣が彼の舞台の上演を禁止させようとしたが、むしろ逆効果で、ディウドネの舞台はフランス全国の大手劇場で予定されていた公演全てが満席となり、いまだかつてない支持を受けている。
【動画内容】
テロップ: 2013年の、ディウドネの舞台シーン(拍手喝采の音)
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しかし、メディアは……(沈黙のシーン)
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ふたたび喝采シーン
テロップ: “2013年12月19日。この日、France2局はディウドネの舞台『Le Mur』に潜入し、隠しカメラで撮った画像を『Complément d'enquêtes』誌に掲載した”
ナレーション: やはりここでも、ディウドネが執拗にこだわる対象は、ユダヤ人だ。
テロップ: “公演中、ディウドネが発した言葉『パトリック・コーエンに対するコメント部分のみ』が取り上げられ、非難を受けている”
ナレーション: 騒ぎは、ラジオ局フランス・アンテールの司会者パトリック・コーエンが、ディユドネを番組から外したいと言い出すまでに発展した。
ディウドネの問題となった発言の一部: そうね、パトリック・コーエンって名前を聴くとさ、ほら、まぁ、ガス室ってやつ……?(観客の笑い)
パトリック・コーエンの声(テレビ局France5の討論番組『C à vousにて』): まだあなた方はあんな人たちをゲストとして呼ぶつもりか?
タリック・ラマダン 、ディウドネ、
アラン・ソラル 、
マルク=エドゥアール・ナーブ なども?!(訳注:それぞれリンク先参照。作家やエッセイストなどを仕事とし、論客としてもしばしば登場)
テレビで公開するような討論番組をやるなら、あなた方にもそれなりの責任っていうものがあるだろ?! あんな陰謀めいたセリフを吐くような、あんなアタマがおかしいやつらに発言させないようにする責任ってものがさ! だって、今あげた名前って全員、アタマおかしい奴らじゃないか!
再度、ディウドネの、問題となった発言の一部: そうね、パトリック・コーエンって名前を聴くとさ、ほら、まぁ、ガス室ってやつ……?(観客の笑い)
テロップ: “翌日から、ラジオ・フランス局はパリ検事に提訴した”
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“12月27日”
ナレーション: ディウドネの舞台を禁止するためには、その公演内容が公序を深刻に侵しているということを証明しなければならない。
画面文字: “マニュエル・ヴァルス介入”
ナレーション: 県知事も市長もその権力を行使しないので、マニュエル・ヴァルス内務大臣が最後の手段に出た。内務大臣は県知事や市長に対し、ディウドネの公演の中で罪に問われるどのような発言も提訴するよう促した。
同日、サッカー選手のニコラ・アネルカ選手は、イギリスでのチャンピオンシッププレーでシュートを決める際にQuenelle(クネル)の動作をしたことが問題となった(訳注:quenelleとは、ディウドネの舞台で使われるシンボルジェスチャーのこと。もともとは肉や魚のつみれ料理を意味するが、ディウドネの舞台では特別な意味合いを持って使われている言葉。一般的には、反ユダヤ精神、人種差別的要素があると解釈されているが、本人はそれを否定している。
参考画像 。)。
ナレーション: 今回、イギリスでのサッカーの試合の最中にニコラ・アネルカ選手がシュートを決める時にした腕を前に伸ばす動作はまさに人種差別的なものである。フランスの騒ぎを鎮静化すべく、イギリス側としては大きくは取り上げない賢明さが今回証明された。フランス内務大臣にとっては非常に厄介なことといえるだろう。
画面&ナレーション: “2014年1月6日:
マニュエル・ヴァルス内務大臣は全国の県知事と市長宛てに、ディウドネの舞台上演を禁止するよう要請する内容の通達を発信した”
今朝、総理と一緒に通達文書を作成し終え、午後に国内の県知事・市長宛ての指示を記載した通達を発信いたしました。各知事または市長は、問題となるコメディアンの舞台の内容が公序に反する危険性があるということを理由に禁止することができるという内容です。同人物は今週、ナント、トゥール、オルレアンなどの町へツアー公演に出る予定だとのことですが、今後は知事・市長らは法的手段をとることが可能となります……。
画面: 2014年1月7日:
“フランソワ・オランド大統領は、知事たちに対して今回の件では『慎重かつ厳格に』対応していくよう要請した”
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“ディウドネは、いかなる公演の禁止も行政裁判所に訴えることで対抗し、ヴァルス内務大臣の『告発』に関しては高等法院(訳注:大統領や大臣の職務上の重大過失について裁判を行うところ)に訴えると警告している”
画面: “2014年1月9日”
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画面変わって裁判官の画像&判決文読み上げ:
ナント行政裁判所議長の判決文を読み上げます。『Le Mur』の公演禁止を求めるロワール・アトランティック県知事の2014年1月7日付の要求の執行は保留とし、今晩公演予定のディウドネの舞台は実施されます。
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“ナント公演は、許可された”
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“18:40”
画面変わってニュース番組のキャスター: 国務院でディウドネのナント公演中止の決断を受け、マニュエル・ヴァルス氏は『国が勝った』と発言しました(訳注:国務院はフランスの最高裁判所の機能を持っている政府行政上の諮問機関。法案の作成も受け持つ)。
画面: “ディウドネのナント公演は最終的に、禁止された”
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“ディウドネにとっては痛い一撃”
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“しかしこれがフランス国民から完全なる支持を得ることとなる”
群衆の画面: 女性:彼はコメディアンとしてやることをやっているだけよ、なんで公演を禁止しないといけないのかわからないわ。そんなことする権利ない!
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女性:表現の自由でしょ、それに検閲にはあたしは反対よ。ショックだわ!
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男性:俺たちは笑いに来たんだし、楽しみにしてたんだ。ただそれだけだよ、今回の判決にはがっかりだね。
画面: “ヴァルス大臣とディウドネとの間で対決の口火が切られた”
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“2014年1月11日”
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“France2局の『On est pas couché』という番組の中で、ディウドネに関するニコラ・ブドスの寸劇(訳注:ブドスもコメディアンだが、ディウドネに対抗するかたちで彼を嘲笑する寸劇を披露した。訳は割愛させていただくが、こちらがその寸劇が含まれる番組→
http://www.youtube.com/watch?v=kTAc4G5LHrM )
画面変わって、ブドスの顔: インタビューアー:あなたの報道がたくさんの反響を起こしましたね。
どんな反応が多いのですか?
ブドス:お礼のメッセージ、称賛、そして侮辱かな。
インタビューアー:脅迫もありますか?
ブドス:ええ、暴力に訴える脅迫や、命にかかわるような脅迫も受けています。
今、僕は友達の家にかくまってもらているんですよ!
別に、泣き言を言うためにここに出演しているわけじゃぁありませんが……。
インタビューアー:今回のあの寸劇が問題で?!
ブドス:そうですよ! 当たり前じゃないですか!
もう、いつ殺されるかわからないような
脅迫を毎日受けていて、警察沙汰ですよ。
画面: “エリー・セムンはCanal+局のCliqueの番組で『ディウドネに向けた手紙』という寸劇を公演”(訳注:その内容としては、昔は共通の思想で様々な人種をパロディと対象とすることで楽しい笑いを提供することができたのに、今ではユダヤ人である自分としては裏切られた気持ちだというもので、皮肉をこめた寸劇)
画面変わって、エリー・セムン: 正直、寸劇どころじゃぁないですよ。『裏切られた友人からの手紙』って言ったほうがいいかな。まぁ、言いたかったことはこれかな。これ以上、あまりマスコミには顔を出したくないな。僕は別にディウドネの報道担当じゃないからさ。
画面: “ディウドネの支持は日に日に増していった”
画面変わって、ディウドネがチェ・ゲバラに似せられた写真が掲載されたインターネットサイトの画像&マリーヌ・ルペンの声(訳注:
こちらの番組 :マリーヌ・ルペンは今回のディウドネの騒ぎを『ヒステリー現象』と呼び、舞台の上演禁止やインターネット上での動画削除などは公の自由、表現の自由に反しており、『検閲行為』だと訴えている)
インターネットでの表現の自由は憲法で守られた権利にしてほしいわね!!
ディウドネの画像(引き続きマリーヌ・ルペンの声): 番組司会者:最後にディウドネの舞台、quenelleは禁止されるべきですか?
マリーヌ・ルペン:「ていうか、quenelleの上演は禁止されて、ナチス敬礼は禁止されていないってことよね?!」
司会者:……
画面: “ディウドネは立て続けにマニュエル・ヴァルスとその取り巻き連中による嫌がらせをうけている”
冒涜
公演禁止
殺人の脅迫
拘留
家宅捜査
税務コントロール
家宅不法侵入
YouTubeサイト上の動画削除
ののしり
“それでも、ディウドネは10年以上も前から反抗し、そしてこれからも反抗し続ける!”
“今後も彼を支持していこう!”
Nassim Cortocus いいね! とてもよくできたルポビデオだ!
taz ronin ‚''''..‚..''''..‚
William Turner こりゃすごい。過去の真実までいろいろと出してくれてありがとう。引き続き今後が楽しみだよ!
Mounir CHIRCHI 一過性の大した権力もないやつに対して、ディウドネはちっこいハエを潰すようにやっつけてるのさ! あのコンプレックスの塊のチビもな!
manu 一回さ、全員で本当の民主主義ってものを実現させてみたらどうなんだろな! 政治家の何人かは失業するぜ。っていうか、全員か……。でも、国民としては仕事が見つかるだろうからさ!!
MaxiBestOf Quenelle すごいいい! すごくいい動画!
Kader Guerari 風車と戦うってやつね(訳注:ドンキホーテから引用。仮想敵と戦うこと)
Mwamba Kandimba マニュエル・ヴァルスの社会党政権とそのご主人のオランドの傘下で、フランスは一瞬のうちにふにゃふにゃ共和国になったわね! 社会党なんてもう消え去るべきだわ! こういったアホな独裁者たちのせいで、風刺やユーモアが無価値なものにされるなんて!!!
B4ttl3fi3ld F4n なんて腐った政府だ・・・なんて腐った国だ・・・
Soral Anti いや、国民相応の政府なんだよ。
vinihusr あの『ってかさぁ、くそったれ』を吐くおっさん(訳注:ヴァルス内務大臣のこと。この『ていうかさぁ』は彼の口癖)、早く辞職するべきだよ。あと、あの腐敗した政府の残りのやつらも。これまでの歴史の中で最も腐っているフランスだね。
Soral Anti じゃぁ何か?
あんた、国から何かをしてもらうために、
一体自分は何をしようってんだ?
今のように引きこもってサイトにコメントを投稿するだけか?
あんたみたいな革命家じゃ、
政権を揺るがせるにはまだまだ先が遠いよ。
appât de pêcheur 図にのるなってことだよ。
Musashi9742 今回の一件を簡単にまとめると、国のテロってやつさ。カンペキ、キチガイじみているよ。まさにダビデ(訳注:つまりディウドネ)対ゴリアテ(政府)だね(訳注:ゴリアテは、ダビデに殺された巨人)。ひとつ良いことは、今回もまたダビデが勝つってことさ!!
Roger Habit うぅーーーむ……みんな油断するなよ。すべてを牛耳って、世界に跳梁跋扈する独裁者の群れを打ち倒すには、みんなが一致団結しなきゃならない。フランスだけじゃなくて多くの国の運命も、我々にも等しくかかってくるよ。
まずはフランスで前例を見せて、人生の名において我々自身の実権を取り戻さなければ! あまりにも長い間、やつらのやりたい放題を放置し続けてきた。その責任は俺たちひとりひとりにもある。
今でも、まだこういった世界の暴君たちによる恐怖政治の仕組の犠牲者になっている子供たちがいるはずだ。情報に常に敏感になって、それを周囲に発信できるようになろう。そして実際に行動に移そう。我々みんなが国家連合の一員なんだ。
それぞれの人生と、お互いの人生を尊重しながら発展していこう。俺は我々人間が好きなんだ。ディウドネ、ありがとう。君はすでに始まっている戦いを引き続きやってくれている。その勢いだ! がんばろう!
Jean Claude Gicquel 任せとけってんだ。
aaltra94 ボクもディウドネを心底応援しているよ!!!
appât de pêcheur 個人的な思想には精神科医が必要なんじゃないか?!
Kahina77sahara 動画ありがとう! ディウドネに賛同するよ! 俺たちは諦めない。離散・混乱の時代は終わった! 俺たちはがっちり繋がっていこう!!
Soral Anti へっ! せいぜい気張るがいいさww
アメリカのサイトにコメントを入れる前に、
おめえは自分の確信に見合った行動してんのか?!
Kahina77sahara お前はCIAか? KGBか?
それともMOSSADか?
もういいから、立ち去れ!
Kongoliz 俺たちのお気に入りであるディウドネに関して、これまでの経緯をこんなに見事にまとめてくれてありがとう。もちろん、彼のことを支持している。どうか彼がたくさんの企ての泥沼に陥らないように。なんといっても、非難ばかりすることにかけては人後に落ちないマスコミの恰好の餌になるからね!
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